「教育力」を読んで
今回は齋藤孝先生著作の「教育力」(岩波新書)を読んでの感想です。
感想に入る前に、私の読書に大きな変化をもたらしたのは齋藤先生で、同じく岩波新書から出版されている「読書力」でした。以来、齋藤先生の本は比較的多く読んできましたが、このところ遠ざかっており、久しぶりの「齋藤本」となりました。
さて、教育とは何なのか、教師の仕事とは何なのか、良い授業とは何なのか、あらゆるところに迷いが生じている今日この頃なのですが、この本は、そこに指針を与えてくれる要素があるように感じます。
どんな形であれ、生徒が教師に憧れをもったり、その教科科目に引き込まれていくことの重要性や教師が生徒に及ぼす影響を真に信じている齋藤先生の姿勢が読みながら伝わってきて、励まされる思いがしました。
この本を読んで、改めて考えたことは、自分の専門性についてです。
私は教育学部出身ではないため、教育学的な見知の不足というのを意識してきました。さらに物理の教師でありながら、大学での専門は気象学であり、物理学のど真ん中を専門としていないこともかなり意識してきた経緯があります。しかしながら、やはり気象学を専門としているところに私のオリジナリティがあり、それを授業の中にも取り込んでいくことが大切なのではないか、そんなことを考えさせられました。
教員としての原点に思いを馳せるにはこれ以上ない書籍だと感じます。興味のある方はぜひ。